IEでCSS3のドロップシャドウを使いたい

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 こんばんは、martinです。CSS3+JavsScriptネタでも。目標は、IEでもCSS3のドロップシャドウ効果が得られるようになること。以下のような感じで、Firefoxとほぼ同等の効果を得ることが出来ます。左がIE8で右がFirefoxです。

[2010/08/04 01:02:25] プログラムアップデート→http://p2b.jp/2010/08/04/IE-compatible-CSS3-dropShadowLink

comparison
影のぼやけた感じも再現。
 CSS3では、テキストにドロップシャドウの効果を付けるtext-shadow定義されていてLink (まだドラフト段階かな)、既にFirefox3.5やSafari, Chrome, Opera10などは対応しています。典型的には、以下のような感じで指定します。
text-shadow: 1px 2px 3px tomato; // 順にx-offset、y-offset、ぼかし半径、影の色。最初に色指定でもOK。

 また、テキストに対する影だけでなく、DIVなどのボックス要素に対するドロップシャドウとして、box-shadowLink というのもあり、これは、FirefoxとSafari、Chromeで先行実装されています(Opera10はまだかな)。指定の仕方は、text-shadowと同様です。ほんとは、spread-radiusというオプションのパラメータもあるのですが、これはなくても良いんじゃないかと思ってます。

   -moz-box-shadow: 1px 2px 3px chocolate; // 順にx-offset、y-offset、ぼかし半径、影の色。
-webkit-box-shadow: 1px 2px 3px chocolate; // Safari, Chrome用の記述。

 また、box-shadow固有の属性として、insetというのがあります。これは、ドロップシャドウをボックスの内側に見せるものです。

   -moz-box-shadow: inset 0 0 1em red;
-webkit-box-shadow: inset 0 0 1em red;

 今のところ、insetオプションを理解するのは、Firefox3.5だけのようです。

 あれっ、ドロップシャドウって、IEが10年ぐらい前から実装してなかったっけ?と思う方もいるでしょう。そう確かにそんなものがありました。IE独自のフィルター機能を使ってそれっぽいことが出来ます。

 これらが紹介された当初はクールだと思いましたが、使い勝手が今イチだったのと、あとは、玉に瑕というか白璧の微瑕(はくへきのびか)だったと思うのは(ここまでいうと誉めすぎですが)、影の「ぼかし」が指定出来なかったことです。キリッとした輪郭の影では折角の魅力も半減です(個人的に)。おそらく、影のぼかしはそれなりにCPUのパワーを必要とするので、当時はまだ難しかったのかもしれません。なので、これらが広くWebサイトで使われるということはなかったです。AjaxのようにまたしてもIEの早すぎた実装だったわけです。

 昨今、パソコンの性能も上がり、IE以外のモダンなブラウザがCSS3のtext-shadowをサポートするようになったせいか、この頃は色んなサイトでドロップシャドウ効果を見かけるようになりました。

 なので、まだまだシェアの大きいIEでも、CSS3に準拠した、それらしいドロップシャドウを付けたいということで考えてみました。基本的な考え方は、上で述べたマイクロソフト独自のFilter BlurLink を用いて、影のぼかしを演出するということです。このBlurは、要素自体をぶれた表現にするので、それを別のレイヤーとして生成して、それを影を付けたい要素の背後に配置するというものです。別のレイヤー生成というと、大げさな気もしますが、ぼやけた感じを出すには、これ以外の方法はない気がしますし、Firefoxにしても、影は別レイヤーなんじゃないんでしょうか、知りませんが。

 とりあえず、それっぽいモノができたのでデモをお見せします。

 

IEでもCSS3のドロップシャドウを実現するデモLink

 text-shadowbox-shadowもカンマで区切った複数の指定が可能なので、これにも対応してみました。

.multi-text-shadow {
 font: bold 3em Arial, sans-serif; color: white;
 padding: 10px;
 text-shadow: 1px 2px 2px #555, 0 0 1em blue, 0 0 0.2em blue; /* ここでは3つ指定している */
}
 上の指定だと、以下のような感じになります。
multi-text-shadow
IE8でのスクリーンショットです。

 また、現時点では、Firefox3.5のみが対応しているinsetオプションも解するようにしてみました。IE8でのスクリーンショットをば。

inset-demo
なかなか良い感じでは。
 で、実際の設置方法ですが、なるべく簡単に設置できるように、外部スクリプトとしました。CSSでの記述は、特別なものは必要ないです。普通に上に挙げたような感じで、text-shadowやbox-shadowの指定をしておけば良いです。後は、ドロップシャドウを効かせたいページで、外部スクリプトを次のように呼び出せばOKです。
<script type="text/javascript" src="path/to/css3shadow.htc"></script>
 ファイルの名前css3shadow.htcさえ変えなければOKで、それを置いた相対パスを、各自で記述すれば良いです。

 これ以外の指定方法としては、このスクリプト自体は、完全にIE向けなので、Firefoxその他のブラウザには不要なものです。なので、その分のトラフィックを減らしたいということであれば、IE向けの条件コメントを使って、

<!--[if lt IE9]>
<script type="text/javascript" src="path/to/css3shadow.htc"></script>
<![endif]-->

でも良いと思います。これであれば、Firefoxなどではコメントとして解釈されるので、サーバーからcss3shadow.htcが呼び込まれることはないです。

 まだ、書き上げたばかりなんで、細かいチェックは出来ていませんが、外部スクリプトを呼び込むだけなので、気軽に試して頂けるかと思います。css3shadow.htcを添付しておきます。8KB未満の小さいファイルです。

 ちなみに、影の色指定ですが、透明度を設定できるrgba方式にも対応しています。これは、通常のRGB形式に加えて、4つめに透明度を指定出来るものです。ゼロで透明、1で不透明となります。

rgba(123, 100, 125, 0.3); /* 透明度30%の指定 */

 オフトピですが、RGBって、たまにRBGとタイプミスしたり、あれっ?どっちだっけと混乱するときがありますが、キーボードで、上から順にRGBとなっている、と覚えると良いです。

 以下、Mozillaの参考サイトを挙げておきます。

添付ファイル: css3shadow.htcattachedIcon 

— posted by martin at 12:35 pm   commentComment [14]  pingTrackBack [1]

縮小時に写真のクオリティを保持させたい

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 こんにちは。この頃のエントリーは、アップデート情報ばかりなので、たまには別の話題でも。コメントで画質のことに触れられていたので。

 ppBlogでは、ひとつの記事にいくらでも画像を貼り付けることが出来ます。その際に、サイズの大きな画像(デジカメで撮った写真など)は、アップロード時のオプション指定にもよりますが、そのままの大きさでアップロードして保存された後(これはPIXディレクトリへ)、この大きさでは表示するのに大きすぎる場合には、予め指定された大きさ(初期値は350ピクセル)に縮小され、これはPIX/s2ディレクトリへ保存されます。

 記事中に表示されるデジカメの写真などは、最初はこのPIX/s2ディレクトリにある縮小された写真が表示されている場合が多いかと思います。そして、それをクリックすると、PIXディレクトリにある元の大きさの画像を表示するという流れになっています。

 一昔前は、(コンパクト)デジカメの写真一枚のファイルサイズは、せいぜい1MB(メガバイト)程度だったんですが、この頃は、画素数の増大に伴い、3-4MBを超えることも珍しくありません。ppBlogでは、3-4MB程度のファイルサイズでもアップロード可能な処置を入れていますが、これを頻発させるとサーバーに負担をかけうるので、予めお使いのパソコンで写真のファイルサイズを小さくしてアップロードすべきでしょう。個人的には、フリーのソフトである「縮小専用。Link 」を使っています。一括処理も出来て重宝しています。Vistaであれば、標準でついているWindowsフォトギャラリーにある「修正」で、適当に修正を施した後、それを閉じれば自動的に修正されたもので上書き保存されますが、これでもそれなりにファイルサイズが小さくなります(縦横サイズはそのままで、例えば3.49MBが1.2MBになったりとか。まぁ、これでもまだアップロードするには大きいんですが)。

 さて、ここからが本題ですが、もともとファイルサイズが大きい写真をリサイズなどをしてファイルサイズを落とすと、当然ながら写真のクオリティーは低下します。更に、それをppBlogを介してサーバーにアップロードすると、そこで更にリサイズされて、画質が低下することになります。気になる方には気になる部分でしょう。

 ppBlogでは、画像のリサイズは、utils_admin.phpにあるcreate_thumbnail()関数(462行目あたり)が担っています。その中に、

  case 2 : ImageJPEG($img_out, $output); break;
という行(500行目あたり)がありますが、これはJPEG画像を出力する関数です。実は、この関数の第三引数(ひきすう)に、出力する画像の品質を指定できます。

quality はオプションであり、0(品質は最低 ですが、ファイルはより小さい)から100(品質は最高ですが、ファイルは 最大)の範囲で指定します。デフォルトは IJG 品質値(75)です。

引用元: PHP: imagejpeg - ManualLink

 現状、ppBlogでは、この部分の指定はしていないので、初期値である75というクオリティーで保存されていることになります。じゃ、他の値ではどうなるのかな?という疑問が出てきます。なので、簡単に調べてみました。Vistaに初めから付いているサンプルピクチャー(「フランジパニのクローズアップ。」by Kevin Forest氏)を元画像として、Qualityオプションを小さい方から順に10, 30, 75, 80, 85, 90, 100と指定していって、それぞれの画像を保存、そのままのファイルサイズでアップロードしたのが以下です。

 まずは元の画像です。350ピクセルにリサイズされていて(品質75)、クリックするとオリジナルのサイズで表示されます。

test0
元の画像のファイルサイズは105KBで大きさは1024x768です。

 以下、色んな品質でリサイズしていった画像を載せます。低い品質から。

test10
品質10。4.75KB。ブロックノイズが目立ち明らかに劣化している。
test30
品質30。8.4KB。ブロックノイズはだいぶ減ってはいるがモスキートノイズが。
test75
品質75。15.6KB。デフォルト値。まぁまぁ綺麗だが、目を凝らすと・・・。
test80
品質80。17.6KB。うーん。
test85
品質85。20.4KB。品質80よりノイズが減っている。
test90
品質90。25.2KB。85との違いは大きくない。
 
test100
最高品質100。ファイルサイズ70.9KB!その割りには90との違いは微妙。

 これから言えることは、JPEGの性質上、元の写真による部分もあると思うけれど、デフォルト値の75では、ノイズが少し目立ち、品質85だと明らかな改善が見られる。ファイルサイズは、15.6KBが20.4KBと約1.3倍。品質90-100は、見た目のクオリティーはほぼ変わらないにも拘わらず、品質100でのファイルサイズ増大が顕著(90で25.2KBなのが100だと70.9KB。ちなみにオリジナルは105KB)。

 なので、結論としては、初期値の75での品質が気になる方は、85-90あたりの値を指定すると、リサイズしても満足した画質が得られるんじゃないでしょうか。たった一枚のサンプル画像からの帰結ではあるけれど、まぁ妥当なところであると思います。

 というわけで縮小された写真の画質が気になる方は、utils_admin.phpの500行目あたりを、

  case 2 : ImageJPEG($img_out, $output, 85); break; // あるいは90

としてみては如何でしょうか。

 将来的には、画像アップロード時に、指定できるようにしても良いですね。


— posted by martin at 12:29 am   commentComment [9]  pingTrackBack [0]

カテゴリーモジュールの更新

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 こんにちは、martinです。カテゴリーモジュールのバグがありましたので、ファイル(modules/category.inc.php)の入れ替えをお願いします。これは、少なくともv1.7.0の時点でも、この不具合は存在します。

 不具合が発生する状況としては、カテゴリー名にシングルクォーテーション(')を含んだ文字列がある状態で、カテゴリー順序の並べ替えをすると、カテゴリー設定ファイルがPHP構文エラーをはくのでブログが正常に表示されないというものです。カテゴリーの並べ替えは、ブラウザ側ではJavaScriptを用いて行っているのですが、PHP側でHTML4の文字列参照に変換した文字列をJavaScriptに渡すと自動的に元の文字列に変わっちゃうようで。

&#039; → ' // 元のシングルクォーテーションになる

 カテゴリー名にシングルクォーテーションを使わなければこの不具合は出てきませんが、ppBlog使いの方に制限を課すのは好きではないので。

 このカテゴリーファイルを添付しておきます(タイムスタンプは $ 2009/09/12 08:33:17)。

添付ファイル: category.inc.phpattachedIcon 

— posted by martin at 07:00 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

1.8.5の差分です。

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 こんばんは、martinです。JavaScript関連で、IE8で不具合が見られたので、それを修正したものを添付しておきます。

 IE8だとコメントやコメントフォーム時のスクロールが、意図したように動いていなかったようです(おそらくIEはすべて)。後、FirefoxのFirebugで見つけたNoticeレベルの警告があったので、それも修正しています(Noticeレベルは、まだありそうですが・・・)。

 4つをひとつにまとめたものを添付しておきます。modulesディレクトリのpages.inc.phpがひとつ。jsディレクトリのが3つです。

添付ファイル: DIFF_185_090911.zipattachedIcon 

— posted by martin at 12:25 am   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

v1.8.5の差分アップデート

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 こんばんは、martinです。先週、ppBlogの最新版であるv1.8.5をリリースしました。不具合のご指摘がありましたので、それらを修正したファイルを3つ添付しておきます。コメントhttp://p2b.jp/1251997859#CID1252353524も参考に。

 ひとつは、amazon_associate.phpの中で用いている$pageという変数がすでにグローバル変数として登録されていたので、それに伴うと思われる不具合に対処したものです。

 あと、IEのCSS2対応が弱いために、ppBlogの方で救済処置を施していましたが、IE8ではCSS2のサポートは十分なために、この処置を省きました。

 あと、記事作成画面でのプレビュー機能を若干修正しました。

 以上3つの最新版を添付しておきます。

添付ファイル: utils.phpattachedIcon  amazon_associate.phpattachedIcon 

— posted by martin at 05:22 am   commentComment [8]  pingTrackBack [0]

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